フライングディスクの「ここが好き!」 vol.42 辻田かよ

オンラインインタビューを利用した、バトン形式の連載企画。

第42回はこの方の、フライングディスクの「ここが好き!」をうかがいました。

(企画:仙田、淺井 / インタビュー:仙田 / 執筆:杉田 / 編集:仙田)

あなたのお名前と、フライングディスク歴を教えてください。

辻田かよです。フライングディスク歴は、15~16年になります。

 

 

フライングディスクとは、いつ、どこで出会いましたか?

前々回にインタビューを受けられた金井さんと同じで、高校三年生の時に通っていた塾の講師が大阪体育大学のアルティメット部に所属されていた方だったことがきっかけでフライングディスクと出会いました。そこで、ちょうど動画を見せてもらった時に「あ、これをやろう!」と思いましたね。紹介してもらった時、日本代表になれるチャンスがあることやみんなスタートラインが同じという話もいいなと思ったんですけど、一番は初めて見たスポーツで面白そうだなとすごく印象に残ったことを覚えています。

 

アルティメットに出会ってから入学して4年間の学生生活では辞めたいと思ったことはなかったです。特に、周りの方々にとても恵まれたと思っています。今まで、自分が一番成長していると感じていた時期に大きな大会でけがをして落ち込んだことや前十字靭帯を三度も切るというケガの経験もありました。その時、自分がアルティメットをずっとやってきて“これしかない”と思っていたところもあったのですが、帰る場所やまた一緒にやろうよと待っていてくれる人たちがいてケガをしても復帰して続けれたと思っています。

 

 

 

今のフライングディスクとの関わり方を教えてください。

今は、関西のBuddy’sというチームに所属しています。緊急事態宣言中は集まることが出来なかったのですが、以前の宣言が解除されて集まったときはみんなアルティメットすることを欲していました。若い人たちの熱気やスポーツをする熱さを久しぶりに感じることができてすごく楽しかったです。

コロナが流行り出す前は、マスターの世界選手権への出場を目標に体を作り直したりと活動に取り組んでいました。そこが節目だと思って活動していたので、今の状況でまたこれから選手として頑張れるのだろうかと感じるところはありますね。次にいつ試合ができるのか分からないところもあるので、選手としては、一区切りついたのかなと思っている部分はあります。

 

選手以外としては、20代後半の時にお声をかけていただいて、関西女子の地区選抜に関わっていました。学生のところにもいろいろ行ったり、そのきっかけからアンダーのコーチやマネージャーなども経験しました。2019年に開催された大会で一度参加して、コロナ禍で中止になった大会も担当させてもらう予定だったのですが、それも志半ばでなくなってしまいました。

私自身、アルティメットするときには楽しむことを一番大事にしています。その中でも、笑顔と愛というテーマを自分の中で持ちながら、いつも学生さんと接しています。アルティメットは個人種目ではないので、仲間と一緒にプレーできる楽しさや仲間がいてくれるありがたさ、仲間に対する愛が必要で、いわゆる絆みたいなものを一人でも多く伝えたいと思っています。技術ももちろんですが、自分がたくさんの方々からいただいた愛やスポーツができる環境、仲間に対する感謝を忘れずに、人間として大切なことを伝えられるポジションでこれからもアルティメットに携われていたらいいなと思っています。

 

 

 

フライングディスクの「ここが好き!」。

良さを挙げるとすると、フライングディスクには、球技にはない動きの変化があることです。風の影響などもある中で、ディスクが落ちる最後の最後まで頭を使って考えながら動かないといけません。ボールとは異なる耐空時間がほかのスポーツにない部分ですよね。

加えて、選手たちの自主性ってすごく大事なんじゃないかと思います。私自身、小学校の頃からクラブチームに入ってスポーツをやってきました。振り返ってみると、スポーツは大好きでも、実際自分で考えてやってきた記憶があまりなくて、監督やコーチ・競技に詳しい親御さんたちの存在があって、そんな中で話を聞くことが正解だと思っていました。そういった方達の考えに対して「違うな」って感じたとしても反抗することはなかったし、自分でこうした方がいいなと思うことはなかったです。今では、アルティメットもコーチがついてるチームも多くて、ついていた方がいいのはもちろんですが、スポーツの根本にある選手たちの自主性がやっぱり必要じゃないかなと思います。プレーする選手たち自身が練習メニューなど考えて、実際にやってみながら一番いいものを練って決めていくことは、学生のチームでも引き継がれていると感じます。指導者がいない環境が当たり前の状況で育ってきた人たちが今監督やコーチになっていて、自分達がやってきたように、選手に考えるチャンスを与えてくれているのもすごくいいところだと感じています。

あとは、セルフジャッジも他のスポーツじゃありえないですよね。もちろんどの選手でも、その良さは分かってプレーをしていると思います。SOTG、スポーツマンシップに則ってやっているのがすごくいいですよね。ただ、SOTGスコアを気にしてしまって、そのスコアを取ることをプレーに反映してしまう傾向も出てきているんじゃないかなって思っています。SOTGが素敵だと感じる反面、複雑なルールの中でちゃんと話し合えているのかは難しいところだと感じます。ルールを熟知した上でプレーすることは大切ですし、セルフジャッジはルールの理解を喚起することにもなります。その中で、アルティメットの複雑なルールを熟知した上でプレーをする必要があるので、なんとなくでしかわかっていない子たちにもルールの理解を注意喚起できる機会にもなります。ただ、そこで表面的な話し合いで試合を進める訳ではなく、違うところは違うと主張出来たり、SOTGを気にしすぎる場面もあったりするので、いい面を引き継いでいけたらと思っています。

でもやっぱり、一言で言ってしまえば“楽しい”ってところですね。楽しくないと続けてないですし、今まで出会ってきた仲間やアルティメットを伝えてきてくれた人たちにすごく感謝しています。

 

 

次にバトンを繋ぐ方は、どんな方ですか?

お互い違うチームに所属しているんですが、チーム同士で合宿を行った時に仲良くなった方です。年齢は4つか5つくらい下の子なんですけど、一緒に試合に出たこともありますし、何かあったらお互い報告し合うような関係です。プレースタイルや性格、チーム作りに対する考え方などの面でお互いがお互いにない部分を持っていたので、もし一緒のチームになっていたら女子で一番といえるチームを作れていたんじゃないかと思います!(笑)

同志でありながら、戦うときはバチバチできるいいライバルです。とても頼りにしていて、自分のチームのこともたくさん聞いてほしいと思う恋人みたいな人ですね(笑)

 

 

 

アルティメットへの熱い想いが伝わるインタビューでした!!

次のお話も楽しみです!

■↓前回の方の記事はこちら!■

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