U24日本代表メン部門キャプテン 島彰吾が語る 日本代表への道と世界大会の魅力とは vol.3

Profile

WFDF2018世界U-24アルティメット選手権大会 メン部門 キャプテン
島 彰吾
Shogo Shima

1995年10月28日生まれ(当時22歳)
上智大学フリークス出身
Technicolor(メン部門)、Odds and ends(ミックス部門)所属
背番号#28
右利き。ポジションはハンドラー

 

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Message

記事をお読みいただきありがとうございます。vol.1吉田楓選手vol.2中野源一選手の記事はいかがでしたでしょうか?2人ともかっこいいですよね。

さて、これまで2018年1月に行われた24歳以下の世界大会のウィメン部門とミックス部門のキャプテンへのインタビューを記事にさせていただきました。今回、vol.3ではメン部門のキャプテンをインタビューということになるのですが、メン部門のキャプテンを務めたのが僕自身ということで、インタビュー形式ではありませんが、記事にさせていただきます。

アルティメットを始めたきっかけから、代表を目指す経緯、日本代表として世界大会に出場して感じたことをまとめていますので、ぜひ最後までご覧になっていただけると嬉しいです。

小さい時からディスクに親しみ、早くから代表を経験

◆アルティメットを始めた時期・きっかけ
僕がアルティメットを始めたのは大学生になるよりもずっと前からです。父親がもともとプレーヤーで(今も現役です!)、僕も小さい時からフライングディスクを投げて遊んでいました。チームにちゃんと所属したのは大学に入ってからでしたが、小学生の頃から父のチームに混ぜてもらって大会に出ていました。そのため、なにかきっかけがあったわけではなく、気付いたら当たり前のようにアルティメットをやっていました。

 

◆日本代表を目指したきっかけ
そんな僕が、初めて日本代表を目指したのは中学2年生の時です。中学2年生でU20(当時はU19、以下U20と表記)日本代表の選考会を受けて、中学3年生のときに初めて、U20日本代表として世界大会に出場しました。(というより、連れて行ってもらったというほうが正確かもしれません。)

その後、高校2年生、大学1年生の時にU20日本代表に選出され、ここまでで計3回の日本代表を経験させていただきました。そして、U24日本代表を最初に目指したのは大学1年生の冬でした(当時はU23日本代表)。しかし、結果は落選。当時は受け入れ難かったですが、今振り返ってみれば、自分の足りないところに気がつくことができた良い機会でした。

 

19歳以下の世界大会WJUC2010の様子。当時中学3年生

19歳以下の世界大会WJUC2010の様子。2列目中央が当時中学3年生の著者

 

コミュニケーションをとにかく意識した選考会

◆選考会の思い出
大学3年生の冬に、U24日本代表に挑戦する2回目の機会がやってきました。自分の実力がどれくらい通用するのか、どんな人が受けてくるのか、少し緊張しながら1次選考会に向かったのを覚えています。しかし、参加してみると知った顔が多くいたこともあり、落ち着いてプレーできました。

 

◆選考会で意識したこと
そんな選考会で、とにかくコミュニケーションをとることを意識していました。選考会という特殊な環境でアルティメットをすることはなかなか多くありません。普段一緒にプレーしたことのないメンバーと合わせなければいけない、監督やコーチに見られているプレッシャーの中でプレーしなければいけない、短い時間の中で結果を残さなければいけないなど、普段自分のチームでプレーする時とは大きく異なります。そんな環境の中で、自分をアピールしなければいけません。

だからこそ僕は、コミュニケーションを取ることをいつもの練習以上に意識しました。自分が得意なプレー、アピールしたいプレーをするためには、当日初めて一緒にプレーする味方がそのプレーを狙ってくれないといけません。どんなプレーがしたくて、どこで持ったら何を狙ってほしいのか、どこなら投げられるのか、を出来る限り具体的に伝えました。また、得意なことばかりではなく、苦手なことも伝えるようにしました。代表の枠を争う選考会で、自分の苦手なことを伝えることは勇気がいることですし、この考えに疑問を持つ人もいるかもしれません。しかし、選考会を受けている人たちは、自分のライバルである前に一緒にアピールをするための仲間だと思っています。だからこそ、みんながプレーしやすいように、仲間に得意どころを伝え、苦手なところは狙わないようにしてもらっていました。

また、自分自身も仲間の得意どころや苦手なところを聞いて、仲間がやりやすいように合わせることを意識しました。そうすると、チームとして上手く回りだすんです。ここからは僕の感覚ですが、チームが上手く回りだすと、監督やコーチが見てくれる回数が増えるので、自分のプレーを見てもらえるチャンスが多くなります。あとはそのチャンスでしっかりと自分の良さを出せるように意識していました。

 

楽しくも厳しい代表合宿。チームとして仕上がる感覚

◆日本代表に決定したときの気持ち
一番最初はほっとしました。そのあとは、日本代表になれて良かったというよりも、これから日本代表として今まで以上に頑張らなきゃなという気持ちが強くなった気がします。

 

◆代表合宿での思い出
例年夏にある世界大会ですが、今回のU24はオーストラリアでの開催だったため1月に行われました。そのため、国内合宿は、通常約半年間のところ、約1年間に及びました。実はメン部門は1度も国内合宿でメンバー全員が揃ったことがなかったのですが、大学2年生から社会人までの選手に加えて、監督やコーチ、トレーナーとマネージャーも含めてみんな仲良く楽しい雰囲気でした。回数を重ねるごとに、プレーが噛み合っていったり、新しいキャラやノリが生まれたりと、チームとして仕上がっていく感覚がありました。

あ、当然つらいことや大変なこともたくさんありましたよ。例えば、ラントレとか、筋トレとか、ラントレとか…。(笑)
ただ何度か日本代表として世界大会に行った経験から、これらが監督やトレーナーによる嫌がらせ(笑)ではなく、本当に必要なものだということを僕自身痛感していたので、なんでこんなことしなくちゃいけないんだっていう気持ちはありませんでした。

 

2017年10月の代表合宿@千葉県 生命の森。

2017年10月の代表合宿@千葉県 生命の森。

 

◆これからU24日本代表を目指す後輩へメッセージ
もし迷っている人がいるなら、とりあえず申し込んでしまいましょう!

興味があるなら機会を逃さないことが一番です。受けて損することはないと思います。僕の知る限りでは日本代表になってもしくは代表の選考会を受けて、損したという人はいません。近くに日本代表経験者がいたら是非話を聞いてみてください。別に日本代表になることが全てだと言いたいわけではありません。でも絶対に楽しいし、上手くなります。

そしてなにより、文字通り世界が広がります。日本代表になって世界を感じることができるのも、日本代表になれなくて悔しい思いをすることが出来るのも、落ちた悔しさをバネに自分のチームで上手くなって見返すことが出来るのも、まずは選考会を受けてみることから始まります。もし、この記事を読んでいるあなたが選考会を受けようかまだ迷っているのなら、まず1歩踏み出すことをおすすめします。

 

2018年WU24 メン部門日本代表

2018年WU24 メン部門日本代表

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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